導入率80%のeラーニング。その活用方法について
こんにちは。
ギフテッド杉田です。
今日はeラーニングの活用方法についての考察を徒然なるままに書きます。
まず、インターネットを使ったオンライン学習「eラーニング」を活用したことがある方は
多いのではないでしょうか。
eラーニングは、時間を選ばず、通ったり集まったりする必要もないため、
個人利用から企業利用に至るまで
利用者は今も堅調に伸びています。
※矢野経済研究所「eラーニング市場に関する調査結果」より
しかも企業のeラーニング導入においては、
なんと全体の80%の企業が導入をしており、
その中でも3000名以上の企業のeラーニング導入率は
95.8%と高い数値が出ています。
※日本能率協会マネジメントセンターが実施した2015年の調査より
ここ数年LMS(ラーニング・マネンジメント・システム)に対する企業の投資にも
復調が見られていて、
切り替えや更新案件を中心とする引き合い案件が活発化しているようです。
2016年度の市場規模予測はさらに前年比107.9%と
まだまだ市場が拡大していくものとされています。
確かに、スマホの高い普及率やクラウド環境の著しい進化といった環境と
個人、組織の学習度データからできる効果的な教育方法の開発PDCA、
コストダウンが図れるなどの実利的メリットを見ていると、
この予測も納得できますね。
しかし。
この導入率80%のeラーニング。
本当に、企業にとって主力の教育手法として受け入れられているのでしょうか。
私は残念ながら、NOだと思っています。
なぜなら、導入社数は多いですが、その活用方法はいまいち限定的だと感じるからです。
・語学
・コンプライアンス
・メンタルヘルス
・マイナンバー
・業界知識(関連する法律等)
などなど・・
みなさんが思い浮かべるeラーニングの活用って、
感覚的に、「知識インプットが多いものが対象」なのではないでしょうか。
「施術や接客などといった実技には適していない」
そんなイメージはありませんか?
以前の私もそうでした。
しかし、今いろんな企業様と取組をさせていただいている中で、
考えが大きく変わりました。
実技ももちろん知識インプットは必須ですし
むしろ実技のほうが売上を左右するキーとなっていることも多く、
eラーニングからの成果が出しやすかったです。
どんな学習においても、学習のプロセスは不変で、
人材開発分野の第一人者であるボブ・パイク氏も
「学習の5段階レベル」を下記のようにおいています。
**************************************
レベル1:無意識的無能
(ある事に対し、知らないし、実践できない)
レベル2:意識的無能
(ある事に対し、知識は得たが、実践できない)
レベル3:意識的有能
(ある事に対し、知識もあるし、実践もできるが、習慣化されておらず、実践の際、集中しないとムラが出る)
レベル4:無意識的有能
(ある事に対し、知識もあり且つ習慣化されており、自動的に実践できる)
レベル5無意識的有能に意識的有能
(ある事に対し、知識があり、習慣化されて自動で実践できていることを、意識して人に教えることができる)
**************************************
上記においてポイントは、
実践できる の前後に必ず知識がベースとなっているということです。
知識がなくても、なんとなく実践でき続けちゃってるのー
ってあり得るのでしょうか。
本人が意識していないだけで必ず本人の中に知識があるはずですよね。
スポーツ業界に見ての通りです。
オリンピック選手も、フォームを作る際、
コーチと一緒に
筋肉に関する知識、自身のカラダについての理解、
競合選手のフォーム分析、より良いフォーム理解を行い、
実践後も、何度も何度もミーティングを重ねます。
事実、スポーツ選手のトレーニングを行っていた方が立ち上げた
eラーニング会社も何社かあります。
ということで、私が至った結論は、
eラーニングが「実技に適してない」のではなく、
「実技をしっかりと知識として体系化、言語化できていないから、効率的かつ効果的なeラーニングが使えない」。
従業員のなんとなくの経験の伝承で教育を成り立たせ、
定着率が低いまま。(もしくはできない人はできないまま)
ハイパフォーマーは「あの人は特別だから、センスがいいから」
で片づける。
現代、とても価値観は多様ですし、
文化圏の違う方との接点も盛んになっています。
なんとなくの経験の伝承では、
限られた労働人口の有効活用は難しいのではないかと思います。
もう少し考えてみます。
ご精読ありがとうございました。